公園からの、散歩帰りに立ち寄ったコンビニで、
ビルと一緒に、新書本を一冊買った。
「すべては音楽から生まれる」 (脳とシューベルト)
茂木健一郎著
この茂木という脳科学者は、最近やたらとTVや雑誌で
お目にかかるが、昨今の、脳科学ブームの寵児の養老
孟司さんのような存在なのかなと、ほとんど気にかけて
いなかった。
ところが、おととい、偶然ラジオで、茂木さんが、最も好きな
音楽の一つに、シューベルトの「未完成」交響曲を挙げて、
それが自分に与えた衝撃を、マジメに語るのを聞いて、
(それは、姜サンジュンさんが、マジメに夏目漱石の「こころ」
を語るのに、ソックリだった・・。)私は、とても意外に思った。
脳科学者つーものは、シナプスだのニューロンだの、我々
素人にはわけのわからん言葉を並べ立てて、人間の行動や
思考を、解析して悦にいってるアホウかと思っていたが、
その感受性が、はるかに私以上であるのに、とても驚いた。
所謂、プロの音楽評論家達なら、たぶん「未完成」を挙げた茂木さんを
哂ったろう。(「こころ」を挙げた姜さんを哂った文芸評論家もいた。)
だが、これは間違いないことだが、音楽にしろ、文学にしろ我々
素人=音符や文体を寸毫も理解できない人間が、支持してこそ、
その芸術家は、はじめて世で芸術家たりえる・・・。
(一般人の支持がなければ、本もレコードも売れないし、音楽会
での演奏も美術展もない・・。)
数学者の岡潔の感性をとても尊敬した小林秀雄は、そのことを
よく分かっていた・・・。
んじゃ、んじゃ・・・。
つーわけで、ど素人の私も、今日も一曲ご紹介。♪
モーツァルト ピアノ協奏曲第20番 ニ短調K466 第2楽章
pf 演奏:内田光子&ベルリン・フィル
http://jp.youtube.com/watch?v=XyMNDHaMb2w