吉本隆明と梅原猛さんの対談集を読む。
梅原さんの本はいくらか読んだが、どれも「意味」が理解しやすい。
ところが、吉本爺のもの(とりわけ若い頃のもの)は、よくわからない。
一時期、爺の本を読むのがブームになったものだが、爺のどうにも
難しい独特の言い回しを、当時の若者がどれだけ理解したのか、と
いう疑問は常にあった・・・。
余計なことだが、私は昔、爺の娘さんのメロン?さんの「トイレ」?という
小説を(娘さんとは知らずに)読んだことがあった。
ちょうど、「ライ麦畑で~」を読んだばかりであったので、「雰囲気」は
なんとなくつかめたが、もとより素人だから、その妙な文体にいささか
閉口したものだ。
・・・・・・・
最近になって、ふと、いわゆる「難しい文章・理解するのに苦労する
文章」というのは、そもそも作者の言語能力に問題があるからでは
ないかしら、と考えるようになった。
日本語について専門家の作家であるなら、どんな言い回しや表現
方法を駆使しようとも、万人に理解されるのが当たり前で、読む側
に苦労させるのは、やはりおかしい。
立場によって、読み取られ方はさまざまであるとしても、最小限、
基本的な日本語の意味が、まず理解できなければそれは言葉
(文章)とは言えないだろう。
吉本爺の、文章とは違う、「明快な話ぶり」に、そんなことを思った・・・。
今日の一曲 「ウーマン・イン・ラブ」 (バーブラ・ストライサンド)
※ ユーチューブで聴いてごらん ♪