先日、最低賃金(時給)が改定され久しぶりにアップがあった、と。
わが故郷の鳥取県の時給は677円で昨年よりも3円のアップ。日本で最も低く
全国平均の780円からほぼ100円も安い。
私が、およそ会社経営に参画した経験がないゆえなのかも知らぬが、こうした
ニュースに触れるたび、いつも異様な感慨を覚えるのである。
ことに、TVの画面での中小企業経営者のコメント。
「これ以上5円でも上がれば、会社は潰れます。」
・・・・・
例年になくウンコ暑いこの夏、我々は日頃自動販売機の缶ジュースやお茶を
飲まずにはいられない。
この飲料の価格は110円から150円。またタバコは400円。寝る前に欠かせ
ぬチュウハイやビイルもどんなに安いものでも100円はする。
鳥取県では前年度よりも3円のアップであるから、6時間のパートタイムでは
一日18円の昇給?つーことになる。
18円つーのは、スーパーでのレジ袋2~3枚の値段である。
この程度の賃金のアップが経営に影響する、なんつー経営者の言い分が、
私にはさっぱりわからんのである。
缶コーヒー1本さえ買えぬ18円のアップが不可能な会社って、どんなん?
そしてその社長ってどんなん?
ちなみにフランスの最低賃金は1200円だそうである。
※ 我々日本人は、戦後長い間、中国に抜かれるまでGDP世界第二位の
経済大国つーイメージのせいで、欧米先進国に比べてずっと労働生産
性が高いように誤解している。が実は日本の生産性は欧米に比べて
はるかに低い。残業してやっと同等なのだ。
・・・・・・・
いわゆる同一労働=同一賃金つー言葉?が、労働者の賃金、とりわけ正規
非正規の格差の問題の際によく喧伝されるのであるが、
それ以前に、日本、特に地方の最低賃金の異様な最低賃金のことの方が
問題にされるべきだろう。
民主党政権時に、最低賃金を時給1000円、つー話もあったようであるが、
日本の現状を見ればそんな夢のような話、ばかばかしい気がするほどだ。
この最低賃金に関するニュースに接するたんびに、私は日本の経済の現状、
(日本の労働者の実情)を今さらながらに再認識させられ愕然とするので
ある。
(さればこそ)あのグロテスクなデザインの3000億円の新国立競技場建設
が、あやうく着工されそうになったことに呆れかえる。
677円の最低賃金。一方では数千億円の競技場。
いったい日本人の感覚って、どうなってるのか??
もう一度、津波や大地震が来て、原発がメルトダウンしないと目が醒めない
のかも・・・