ドキュメンタリー「 ウィーン・フィルの世界 」を観る。
想像もできない世界のことながら、とても面白く拝見。
「揃えよう」なんて楽団員は皆無。それぞれの職人が、
自分の好き勝手に演奏して、最後にウィーンの空気の
影響を受けて調和する。
一言で言うならそんな感じ。
空気と言っても、最近流行りの鵜の目鷹の目、あるいは
風見鶏のほうではない。ウィーンの街の自由な空気のこと。
野球チームに例えるなら、テキサス・レンジャーズかしら。
オリンピックの誘致を、住民投票で圧倒的多数で拒否した
ウィーンならではのオーケストラつーことも言えるだろう。
それほどに個性を重んじ、自由を重んじるのがウィーン。
日本の地方都市程度の小さな街から、世界中にある意味の
メッセージを発信できるオーケストラなんて凄いことだ。
※ オーケストラつーのは、生け花に似ている。
それぞれの花や葉っぱが、個性を主張し、一つとして
無駄なものはない。 空間さえも。
そして、これが絶対の形つーものはなく、珍妙な表現に
なるのを大目に見てもらうなら、自由の美しさとでも
言おうか。そう、個性同士の調和と形容してもエエかも。