中央道・笹子トンネル天井落下事故。
シロウトの素朴な疑問
その1 「何でこんな重いものを吊るん?」
落下した天井は、つり天井方式で、トンネルの負担になりこそすれ、
筋交いのようにトンネルを補強するようなものではなかった。
にも拘わらず、コンクリ製の一枚の天井板の重さは1.2トンとか。
天井板は、仕切られた空間が吸気と排気に左右に分けられたダクトに
する為に設置されたものだという。
換気ダクトなんて、一般には薄くて軽い亜鉛メッキのブリキが使われる
のが普通。暑さ10センチ近いコンクリートの板が、何で使われるん?
最初に作った当時、だあれも「大丈夫?」と思わなかったのかのい。
吊り天井にした設計者の顔が見たいわい。
その2 「劣化するのはボルトだけじゃないでしょ?」
天井落下の原因は、コンクリ製の天井板をトンネル本体に打ち込んで
いたアンカー・ボルトの腐食・劣化だという。
ボルトとトンネル本体のコンクリの接触面には、接着剤が流し込まれて
いたとか。
んなら、その接着剤の効能の低下すなわち、化学変化や収縮・硬化も
考慮すべきであろう。コンクリ本体の質の劣化は勿論である。
ボルトが事故の全ての元凶のように言うのは片手落ちつーものである。
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春に起きた関越道バス事故の被害が大きかった原因の一つに、接触地点の
ガード・レールが、障害物の外側に設置してあったつーことがあった。
その道では、専門家の集団である道路公団や、それらを設置を許可・認
可・点検した役所(の専門家)の連中のフツウの感覚の欠如には、改めて
呆れてまう。
こんなの完全に人災である。
人災と言えば、
海岸線に立地するフクシマ原発の非常用電源を地下室に設置したり、
そもそも事故になれば、近寄ることさえ大変である原発を、至近距離に
何基も建設して何の安全性への疑問を持たぬことは、フツウの感覚とは
いえないと思うのだが、これらがふんとにヘンだと思われていない所に
本質的な問題があるのだ。
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昨日、仕事でいつも通っている首都高速が、メンテナンスの工事で大渋滞に
なり、私はチカレタのであるが、
次から次へと道路や橋を作ったら、必ず経年劣化に伴ってメンテナンスが
必要になってくる。
新しいアスファルトの材料なんぞも、この先もし原油の供給が滞ったり
すれば、日常的な道路工事も不可能になる。どうするんかしら。
なにも、レア・アースだけの問題ではない。
例えば、2020年のオリンピック誘致に伴うインフラの整備を期待したり、計画
するのは勝手だが、新しいものを作ることばかり考えて、そのあとのメンテ
ナンスのことを考慮に入れていない連中がほとんど。
文明つーものは、必ず衰退する。
糞尿にまみれたコンクリのガレキだらけの東京の未来が私には見える・・・。