新聞に、埼玉県の学校教師への、体育科目の柔道の必修化に
伴う、「教え方」の研修の様子が報道されていた。
この柔道や剣道のいわゆる武道が、学校教育において必修化
されたのは、右翼的な政治家(例えば安部晋三)の考えに
よったものである。
「道徳心」やら「日本的な精神」を「武道」によって養う
つーことのようであるが、ちゃんちゃらおかしい。
オリンピックで金メダルを獲った柔道家は、その後強姦罪
で訴えられている。
剣道日本一になった警察官は、裸の写真を送れと女性に強要
した罪に問われている。
いずれも武道家としては日本一、世界一になったが、その人間性たるや・・ ほ
人間性の向上、涵養とスポーツとは何の関係もない。
乙武君のようにスポーツとはおよそ縁遠い人間を見よ。
そもそもスポーツに右左、あるいは旧い新しいもない。
ましてや、そのスポーツが、人間性の思想を(政治的な左右を)
決めるなんつーことはありえないのだ。
私は、背中に不動明王のイレズミをして、マルクスの「資本論」に
夢中になっていた男を知っている。
彼は、とてもリベラルな考えを持っていた。
学生運動が盛んであった1970年前後、学生に人気のあった映画は、
高倉健の「網走番外地」。歌は、島倉千代子の「東京だよ、おっかさん」
であったことを忘れてはいけない。
人間及び、人間社会つーのは、そ~ゆ~ものなのだ。
安部元首相の言うように、「武道」をやれば、「日本精神」が
育まれるつー、単純なものではない。
今の天皇陛下のように、ものごとを常に客観的に捉え、人に常に穏やか
に接し、ある種の諦念を抱きながらも、なお向上心を失うことのない
心もちこそ、日本人の日本人たる所以だろう。(と私は考う)