昨日、「ラジオ深夜便」で元沖縄県知事の太田昌秀さんへのインタヴューが
放送された。
久米島出身の太田さんの原体験ともいえるお話が実に印象的であった。
太田さんは、太平洋戦争当時、ご多分に漏れず軍国少年であったそうな。
だが、沖縄戦のなかでも最も悲惨な戦争の被害を受けた久米島での体験が
太田さんのその後の戦争観や文明観、人間観に大きな影響を及ぼしたという。
カッコのエエことばかり言って、太田さん達を訓練していた士官達が、飢えに
瀕した際の、同僚すら殺す非人間的・動物的な行動や、
国民を守ってくれる筈の軍隊が、防空壕や洞窟に避難していた女子供や老人を
どかせて(砲弾の飛び交う地上に放り出し、自らの延命を図った行動などを
目の当たりにして、太田さんはそれまでの価値観が180度転換したと言う・・・。
沖縄人らしい知事さんといえば、沖縄返還時の屋良朝苗さんがいるが、
あの人はいかにも沖縄人らしい人の良さが感じられたのだが、その人の
良さが、ずるい本土人につけこまれ利用されて、沖縄が日本本土の犠牲
になってきたことを思わせて辛かったものだ。
太田さんも人の良さは代わらないが、沖縄と本土との格差や矛盾を理論的に
突く事が出来た人であったところが貴重だったように思う。
「展望」や「世界」での論文は私も数多く読んだものだ。
今の自民党系の知事さんの仲井間さんも、保守系と言われているが、根本的
には屋良さんや太田さんと同じ感覚を当然ながら持っている。
普天間基地やオスプレイの配備問題を本土の感覚でごり押しするとその
しっぺ返しはとてつもないものになるだろう。
日米関係が重要なら皇居の敷地に基地を作ればエエ。