BSで「森鴎外の恋人 ー 120年目の真実」を見る。
以前、このブログで触れた「舞姫」のヒロイン、エリスの
モデルの存在、すなわち文豪・鴎外が生涯語ることがなか
った、おそらく彼の人生で最も大切でかけがえのない思
いでであったろう恋愛事件を明るみに出した力作である。
その博識と文学的才能によって、いかにも文壇に重きを
なしている雰囲気は肖像写真からもよく伝わってくる人だが、
自分で封印をした若き日の恋愛の思い出は、軍医総監にまで
出世し、芸術と世俗の両方の世界で功なり名を遂げた彼には
むしろ、他人に語ることが惜しまれるほど切ない宝石のような
思い出であったに違いない。
私は、なぜか昔伝記を読んだことのある音楽家のブラームスを
想起した。外見やその地位では、その人間のほんとのところは
結局わかるはずもないのだ・・・。
エリスすなわち、アンナ・マリア・ルイーゼ・ヴィーゲルト
(エリーザベトつまりエリーゼ) 15歳の若き鴎外の恋人は、幸い
その後幸せな家庭を築き79歳まで生きた、と番組が結ばれたのに
ホッとした。エエ番組だった・・・。
追加の一曲(エリザベートの為に)
「
エリーゼのために 」
ベートーヴェン:作曲
演奏:
フジコ・ヘミング