吉田秀和つー評論家の爺ちゃんが、新聞で演劇を論じている・・。
ブレヒトつー演劇家の演出した、「リア王」の場面 ―――
邪険に扱った、父思いの末娘への、リア王の後悔の言葉に対して、
コーデリアの 「 いいえ、恨みません・・・。」
吉田の爺ちゃんの評論は、この場面を紹介した後に、次の言葉で終わる。
「人間の悪は底知れない。でも、その無明の世界にも、
愛の赦しの光が差し、すべてを照らす瞬間があるのだ・・・。」
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私は、爺ちゃんのこの言葉を聞いて、何十年も前に読んだ、
ドストエフスキーの「罪と罰」で、殺人を犯した主人公の青年を、
場末の淫売宿で、ある若い純真無垢な娼婦が、説教?する場面を
すぐさま思いだした・・・。
娼婦の名前も、彼女が何を言ったのかも忘れてしまったけれど、
でも彼女が無明の青年を、光でつつみこむ瞬間があったように思う・・・。
げに、この世の中にはたしかに、そういう人はいるのだ・・・・
今日の一曲
「 あふれよ、わが涙 」 作曲:J・ダウランド
演奏:J・Savall Hespe'rion ⅩⅩ
http://jp.youtube.com/watch?v=LCfhqh0u20c
明るい雰囲気の歌、追加じゃ・・ ♪
「 Heaven 」 歌:ヘイリー
http://jp.youtube.com/watch?v=36eR8QsNy0k