昨夜、TVの「特報首都圏」で映画監督の山田洋次さんの
特集があった。 (副題は「今、伝えたいこと」)
半世紀にわたって、一貫して「家族」つーものを映画化
してきた山田監督。
若い後継者たちと、家族と切り離されて死を待つ孤独な
老人が収容されている、ホスピスを訪れる。
TVでは、路上生活をしていた末期のガン患者の収容者の娘が
十数年ぶりに父に会いに来る場面があって、ややホッと・・・。
だが、この施設で亡くなっていく老人達に、最後の別れを
する肉親の割合は、僅か10%であるそうな・・・。
またクリーニング屋も訪れる。店先だけではなく、奥に入り、
屋上のモノ干し場にまで上がって、そこで店主の
「私は、ここが、唯一くつろげる場所なんですよ。ビイルを飲んで
大文字山の送り火を眺めるのはなんとも言えません・・。」
という言葉を引き出す・・・。
「何を訴えたいか、何を映像化したいか、という前に先ずは
人間を、人間の生活を知ることこそが大事なことなんです。」
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山田監督の映画やドラマでは、「家族」の厳しい現実が
描かれていても、ラストではどうにか希望を見出せるような
シーンで終わる。(でなければ、見ている我々がツライ・・・。)
曰く 「 現実の社会は、こんなハッピイ・エンドなんかじゃない。
と観た人達が疑問を持ってくれれば、映画を作った意味がある・・。」と。
監督は脚本家でもある。新藤兼人さんや早坂尭、山田太一、
倉本聡さん等、私が今までに感動した映画やドラマは全て
彼等の台本のものである。
人間そして人間の生活をよく知った人でなくては、その映像化
は限りなく困難であるのだ、つーことを改めて知った番組であった。
もひとつ・・・。
山田さんのように・・・、「マジメな人間」つーものは、
確かに、この世の中に存在するのだ・・・。
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この事実くらい、我々の人生に希望を与えてくれるものはあるまい。
「 人生は生きるに値するのだ・・・」 と
今日の一曲
「 La Follia 」 コレルリ:作曲
http://www.youtube.com/watch?v=axSxQImltZA