昼間、車を走らせながらラジオを聴いていた。
FM放送「名曲の楽しみ」つーやつで、吉田秀和爺が解説を
してる。きょうはモッチャンの何か(忘れた)について、爺ち
ゃんがあれこれ薀蓄をかたむけたあと、曲を流した。
吉田爺ちゃんのモーツァルトの話を、わからぬなりに聞い
てると、この偉い爺ちゃんは私なんぞとは全く別な夢の世
界の住人のよーな気がしてクルル・・・。
世間が不況だったり、どっかで戦争があったり、選挙一色の
わが国の今の姿や、私自身の日常のあれこれや、政治的な
視点等、およそそんな類の雑音が、一切聞こえない・・・。
実際には、この方の畑では、何くれとエライ働きもされてお
る爺ちゃんなのであるが、ラジオで聴く爺ちゃんの話は、そ
れこそまさにモッチャンの音楽の如く、私は日常を超越して
いるよーな不思議な感覚で聴いた・・・。
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帰ってから、本棚から、25年も前に買い求めた黄ばんだ、
吉田の爺ちゃんの「私の時間」(中公文庫)を探し出し、パ
ラパラとめくってやっぱしその面白さに感心。(この人は視
点が、ちょと違う・・・。)
この話も、随分前に何かで知った話であるが、吉田の爺ち
ゃんは、「ゴメンナサイ」と、言う言葉をごく自然に言える御
仁だそうである。(これだけでも私は遥か遠く及ばない・・・。)
音楽には門外漢の、一介のネジマワシふぜいの私が、音符
ひとつわかりもせぬのに、昔からわりにその著作を読むのは、
自分でもなぜなのかわからない。
たぶん、モッチャンを聴いたときの気分が、吉田の爺ちゃんと
私とは共通するよーな気がするからだろう・・。
このとっても偉い爺ちゃんの長生きされんことを !
今夜の一曲
「 交響曲第5番 K22 」 モーツァルト:作曲
http://www.youtube.com/watch?v=8ow0EbXVbpM
「 ピアノ・ソナタ K333 」 モーツァルト:作曲
pf 独奏:ホロヴィッツ
http://www.youtube.com/watch?v=vWK1U0iE3iU
GN